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書評/論評

「オンラインサロン」(新興宗教)と、そこに集まる孤独化が加速化する日本人に思うことあれこれ。

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月額1万円の「オンラインサロン」。

今回は、巷で賑わっている「オンラインサロン」についてあれこれ、書いてみたいと思います。これは私自身、過去ホリエモンの会社「元ライブドア事件」で痛い目にあった「老婆心」からです(笑)。
こういうネット文化は浮き沈みも激しいので、大きく様相も変わっているかもしれませんが基本、見聞きした内容をベースに書いてみたいと思います。

堀江貴文とライブドア事件を解説。ソフトバンク倒産問題との類似点。ホリエモン、wework。

ホリエモンの「オンラインサロン」は、月額1万円するみたいです。。
正直、これを見聞きして、さすが元ライブドア社長の堀江貴文、金儲けの天才だと唖然としました。

何故、堀江貴文が過去に逮捕されたかを知らない方は、こちらの動画がきちんと説明してくれています。
個人的に、過去ライブドア事件の時に、300万円投資して、それが紙くずになった投資家の一人だから、彼を恨んでいるという訳ではありませんが、
彼はこういった類のビジネスの匂いを嗅ぎつける天才だと思います(呆れます)。

すごく簡単に書くと、彼は上場会社の株の分割という合法的な手法で、会社が銀行のような通貨発行(信用創造)ができることを知り、それを実際に誰よりもはやく行動に移しました。
過去のライブドアという会社は、事業(中身)そのものではなく、株を増刷(株式の分割)により、資本を大きくし、その資本で企業買収を繰り返したことで急速に成長しました。

要するに、事業の中身ではなく、株式操作の「テクニカル」により巨大化させることに成功したと言えます。これは今の彼の「オンラインサロン」にも通じるものがありそうです。。

「オンラインサロン」を「習い事」と対比。

オンラインサロンの参加者が、どのような目的で参加したのかは正確にはわかりませんが、恐らく誰しもがそのサロンを通して「成長したい」「仲間を作りたい」というのが目的ではないかと考えます。
そこで、オンラインサロンを「習い事」と対比してみたいと思います。

「オンラインサロンを子供の『習い事』と一緒にするな!もっとレベルが上だ!」と、叱責されそうですが、子供の「習い事」(プログラミング教室)の経営もしている私から見て、
1万円の月謝というのが、どれほど難しいのか(教育面、ビジネス運営面)、述べてみたいと思います。

「習い事」にかかる諸業務

  1. 2〜3年に及びカリキュラム(積み上げ式)
  2. 生徒一人ひとりの管理
  3. 現場運営

まず、1)ですが、プログラミングや英語などの習い事の最終目標は、その技術や能力がどこまで習得(習熟)できるかにかかります。プログラミングなら、実際にプログラミングが書けるようになることに加え、
図形認識能力・論理思考・水平思考(創造性)・想像力・立体認識能力などなります。加えて、英語なら、聞ける・話せる・書ける・読めるが実際にどこまでできるようになるかです。
この教育カリキュラム(コンテンツ)の作成に大抵、多くのコストが費やされ(継続するための工夫など)、また多くの人(企業)も関与しているのが一般的です。

次に2)ですが、生徒の習熟状況におけるクラス配置や、何よりも「積み上げ式」のクラスだと補講の管理が重要となります。この生徒管理も数が増えれば増えるほど、コスト(時間・労力・人件費)が上がり、
生徒が増える営業利益と、生徒管理はまさにトレードオフの関係にあります。

最後に、3)ですが、実際に習熟を受ける生徒の熱量、力量、趣向、継続度によって、現場の運営は毎回、多きく変わります。加えて、対象が子供だと、多くのイレギュラーが発生するため、
大人を教えるよりも沢山のエネルギーと工夫(労力)が必要となります。

オンラインサロンの「中身」は一体、何なのか?

参加者が、オンラインサロンを通して、「成長したい」「豊かになりたい」「幸せになりたい」「仲間を作りたい」として対価を支払うなら、提供者側はそれ相応の「サービスの中身」に責任が伴います。
しかし、上述したような「『習い事』にかかる諸業務」はなく(オンラインサロンを外から見聞きするレベルですが)、資本投下をせずに、利益だけを回収する美味しい「新興宗教」に似たビジネスモデルにしか見えません。。。

【サロンと言う名の「貧弱」製造所】スカスカ教祖もどきに釣られる若者(加治将一)

幕末維新の暗号』で知られる作家の加治将一は端的に、現代のオンライン・サロンに苦言を呈しています。

【ホリエモン信者達がキモい】誰も言えなかったタブーな本音【MUP無編集でぶっちゃけます企画】

元グーグルの社員の方だそうですが、至極まっとうなことを話しておられます。。

現代のオンラインサロンは、中身のない「カルト教」

受講者は毎月金銭を支払うが、サービス提供者はその中身に対して資本投下もせず、サービス保証もしないとなれば、まさにこれは、毎月のお布施(献金)をしている新興のカルト宗教と同じに見えます。
個人的には今の「オンライン・サロン」の主催者は、現代の新興宗教の新ジャンル「ネットアイドル宗教の教祖」のように見受けます。

私自身、若い時(20代)に、外部からカルトと呼ばれるキリスト教にも参加していたので、経験者としてカルト宗教手法について解説できると思います。

オンラインサロンの「カルト的要素」を解説

カルト宗教手法は、基本以下の内容だと思います。

  1. 参加者(メンバー)は「金を払う従業員化」となる。
  2. コアメンバーの優遇と内部カースト制度
  3. 教祖が(広報部長=コア・コンピタンス)
  4. 内部分裂と外部との遮断
  5. 結局最後は誰も助けてくれない「自助努力」

1)ですが、カルトに関わらず、一般的に宗教界では、「信者は献金(金を払う)する従業員」として利用されます。いくつかの有名な、オンラインサロンを見る限り、主体性といってみたり、プロジェクト多数といってみたりして、まさに「金を払う従業員化」が目立ちます。

2)ですが、入会が早いメンバーは、コアメンバーとなり、教祖からの寵愛(ベンチャー企業ならストックオプションなどの実際の利益)を受けます。そして、そこからカースト制度のように、内部は階級化されます。集団がさらに大きくなれば、後発組の多くは底辺に属することになり、集団に属するメリットを享受しにくくなります。その後、先発と後発の内部分裂が起こるのが一般的です。

3)ですが、カルト教は「サービス(コア・コンピタンス)が教祖であり、教祖が広報部長のため、その教祖は、人前に立ちたがり、目立つこと(メディアに出演者として参加)を好みます。

4)ですが、2)とも繋がりますが、教祖が年齢を重ねると、事業のライフサイクルが「衰退期」を迎えます。一般的な事業なら、新規サービスの投入などにより、「事業のライフサイクル」を延命しようとしますが、3でも述べた通り、コア・コンピタンスが教祖なので、教祖の老化はそのまま事業の「衰退」となります。すると、新規メンバーの獲得が難しくなり、内部分裂が起こり、外部との遮断が強まっていきます。まだ、オンラインサロンでは、このレベルにまで達していないと思いますが、遅かれ早かれ、カルト宗教の最後は同じようなものです。

5)ですが、あれだけ、仲間だ、メンバーだ、家族だ、といっても失敗したら「お前の責任」となり、教祖は面倒くさいことが嫌いなため、粗相をしたメンバーは切り捨てられます。切り捨てられたくないメンバーは、教祖の顔色を伺いながら、その集団にしがみつくように心理的圧力をメンバー自身でかけるようになります。

あと個人的に気になるのが、教祖の価値観以外は、全て「バカ」だと切り捨てていることです。今後、内部のメンバーは「バカ」じゃないかと教祖の価値観にあっているかの顔色伺いが強化され、固有の価値観が内部で形成され、外部から遮断されていくように思います。

 

何故、人は「オンラインサロン」に集まるのか?

多分、色々な人が、色々なことを言っても、参加する方は、参加するように思います。その背景には一体、何があるのか、全てはわかりませんが、その触りでも考えてみたいと思います。

  • 1.核家族化、都会信仰、会社社会制度の崩壊による「個人の孤立化」
  • 2.教育機関の機能不全
  • 3.ネット個人メディアの偶像化
  • 4.貧困化

これも一つひとつ説明してみたいと思います。
1)は書いた通りです。オンラインサロンで見聞きする「家族はいならい、貯蓄はいらない、信用が資産」だと踊らされてしまうと、さらに個人の孤立化が進むように思います。逆に、都会のコンクリートジャングルの中、家族も仲間もおらず、貯蓄もなく、仕事も転々とし、社会保障も乏しいむき出しの個人がどうやって生きていくことができるでしょうか?普通に考えて、合理的ではありません。

2)上記の加治将一も言っていましたが、大学教育の機能不全が大きいように思います。私も大学の教員をしていた時(7〜8年前)、当時は「産学連携」と呼ばれ、大学生が企業のプロジェクト(新商品開発・新規事業・新規開拓・研究調査)を教育と称して実施していました。企業は無料の従業員とし、若い感性を獲得するのと同時に、大学生は実地経験を積むような形です。しかし、そのコーディネーターみたいな調整役が、事業も興しこしたこともない、企業にも勤めたこともないような人だと、産学連携業務の多くが事務処理の延長となり、すべてが書類(報告書)を書き埋めるための「こなし」業務へと変質します。それが機能不全の理由として大きいように思います。

3)まさにユーチューバなどに見られる無能な個人の偶像化だと思います。動画の中身より登録者数や再生回数を競い、そこから算出されるグーグルからの広告料を誇ることが優先される個人動画ビジネス。全てが悪いとは思いませんが、視聴者の白痴化は一層、進むように思います。「動画資本論」とかって言っている著名人がいましたが、グーグル資本論の間違いのように思います。現代のユーチューバーは、グーグルのビジネスモデルに依存している外部の「委任契約サラリーマン」というのを気づいていません。。

4)は、2020年のアカデミー賞の主役が「パラサイト 半地下の家族」や、「ジョーカー」など、貧困をテーマにした映画がヒットしている背景からみて、都会での貧困化はさらに加速するように思います。そんな中、なにかをのきっかけをつかもうと、オンラインサロンに参加する受講者が増えるように思います。

オンラインサロンに入会せず、個人としてどう成長するのか?

ここからは、個人的に考える「オンラインサロン」に入会せず、個人としてどう成長するのかを考えてみたいと思います。

これは、本ブログでも度々、書いている内容なので、あまり深く書きませんが、ざっくりこんな感じです。
まず、孤独になる耐性がないと、人と違うことができなくなります。例えば、ゼロから事業を起こすことは、この日本では少数派です。それを実施しようとすると、まずは数年間、精神的な戦い(孤独との戦い)に勝利する必要があります。

オンラインサロンの主催者が主張する「家族を作るな、貯蓄をするな、家・車を買うやつは馬鹿」だとありますが、経済的な観点から、都会で一人暮らしほど「ライフ・オブ・リビング的」に費用対効果の悪い生き方はありません。。家族で構成人数が多くなるほど、一人あたりの食費、住居費、光熱費は下がります。さらにそれが田舎だと、中古住宅が豊富なため、可処分所得が必然と上がります。あと、家を購入し、子供が学校に行き、そこに根付くと、否応なしに、そのコミュニティ(自治会や子供会)に参加することになります。オンラインサロンで仲間を作らなくても、同じような境遇の子育て世代とのつながりが生まれます。自治会の年会費は、数千円程度です。

どんな小さな会社でも、自分の力だけで事業を生む経験をした人は、自立した人間として精神的に一皮剥けます。あと、それまで勤めさせたもらった会社や団体に対して感謝の心が生まれます(自分が従業員を採用する側になって色々なことが見えてくる)。他者依存のない経済的な自立に加え、他者への感謝として精神面が安定し、人生のリスク享受が大きくなり、人生が好循環します。

最後に、恒常的な学びの習慣は、どれだけスカイプで英会話(オンライン英会話)が流行っても、継続率は、20%を切ります。要するに、ツールがどれだけよくなっても、学びの習慣がなければ、人は継続できないということです。学びの習慣において大切なのは、努力や根性、ツールではなく、環境作りです。学びの90%は環境づくりで決まります(過去ブログをどうぞ)投資なんかは過去のブログを参考にしてください。

こんな人におすすめ

  • オンラインサロンに参加しようか迷っている人
  • オンラインサロンってどうよ?と思っている人
  • 人生をとにかく好転させたい人。

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