2022年3月に母親が亡くなりました。
先月、母親が亡くなりました。
コロナ禍の下、入院中は面会が禁じられている中、「多機能不全」で静かにこの世をさりました。私(と長男)が母親と会ったのは亡くなる前日で、約1年半ぶりでした。26歳の時、父親を一人で看取り、44歳で母親をほぼ一人で看取り、これでとうとう、両親ともこの世からいなくなりました。
今回は、コロナ禍で親が亡くなった時、「後悔しない」ための5つの方法と題して、思うことをつらつらと書いてみたいと思います。
母親との同居は、想像を絶する「生き地獄」だった
ちょっと、脇道にそれますが、母親が亡くなる約5年半前、母親と同居することになりました。母親と同居して約4年と、そこから入退院+介護(老健)を1年半繰り返していましたが、母親との生活は、まさに「生き地獄」でした。。
詳細は割愛するとして、ざっくりこんな感じでした。。
- 嫁姑問題
- 精神病の問題
- 子供(母親から見て孫)の攻撃
- 終始止まらない近親者への口撃(メールを含む)
- 介護における金銭的な問題。。
かなり特殊なケースかもしれませんが、同居中は平穏な日々はありませんでした。病状が深刻化してから、介護の段階に入ると、金銭的な問題が重くのしかかりました。
糖尿病で意識不明となり、その後、老健から精神病へ、また老健から精神病で、最後に精神病から普通病棟に運ばれました。1年半で病院は4回変わり、老健は2回変わりました。その間、施設が変わる度、そろえる用紙は山のようにあり、金銭的な支払いも、常に不安との戦いでした。
17年前の父親の時と同様、母親の入退院に一人で向き合ってきた中、「もっとこうしていれば」みたいなことも幾分か残っています。
今回はそのような内容を踏まえて共有していけたらと思います。
1.元気なうちに、両親の昔のことを聞いておく。
できるだけ頭がしっかりしているうちに、両親の過去のことをしっかり聞いておくことをおすすめします。私の両親は、かなり仲が悪く(父親のDVと、母親の口撃)、お互い罵り合っていました。そのため、自分の都合の悪い過去は語りませんが、相手のことはよく喋っていたのを記憶しています。
ここではなかなか、書けませんが、死んでから色々と、表面化されて驚くことが度々、ありました。ずっと、自分と両親は似ていないと思っていましたが、両親が死んでから「蛙の子は蛙」と思い知らされました。
2.お金のことをちゃんと聞いておく。
両親に向かって、「貯金いくらある?」とか「年金いくらもらっている」と尋ねるのは、かなりハードルが高いですが、両親が70歳を過ぎたら、必ず確認しておいてください。
また、借金が残っているなら、それもちゃんと聞いておいた方が良いと思います。
75歳を過ぎていれば医療費は1割で、それほど負担にはなりませんが、病院は今、ほぼ3ヶ月で強制的に退院させられます。
その後、老健や介護施設などに移ることになると、少なく見積もっても月13万円以上〜の費用が必要となります(介護施設は、諸々の経費合わせて平均約19万円/月)。
介護の費用を支給されている年金で賄えるのか、できないのかをある程度、表計算を作ってシミュレーションされることをおすすめします。
3.スマホやATMのパスワードを聞いておく。
スマホのパスワードロックはこっそり聞いておかれることをおすすめします。
病院では基本、スマホはNGです。そのため、両親の知り合いからの連絡に対応する必要が迫られますが、高齢で病院に長期に滞在すると、認知力が急激に弱まり、自分のスマホのパスワードを忘れることがあります。
これはATMの暗証番号も同じですが、私の母親も認知が急激に弱まり、かなりやばかったことを覚えています。認知が弱まる前に、最低でもどちらかのパスワードは聞いておかれることをおすすめします。
4.両親の「本籍」を聞いておく。
これは、それほど重要ではないかもしれませんが、死亡すると、金融関係の書類で必ず戸籍謄本(抄本)が必要となります。本籍が現住所から遠ければ、今では郵送してくる地方自治体が多いですが、それなりの日数がかかってしまいます。また、どこかわからないと、一度、住民票から本籍を割り出すという手間が生じます。
この戸籍謄本(抄本)が必要になるのは基本、金融機関(銀行、保険)となるため、支払い(葬儀、納骨、医療費)が先行するのを両親の預金から賄おうとすると、死亡のタイミングで預金を引き出すことができません。
両親の戸籍謄本やら、自身の印鑑証明などを準備して、それから幾日かまたされてから、預金に手をつけることができるため、必ず必要になる書類となります。
両親の「本心」を聞いておく。
私の両親は、現代風で言う所の典型的な「毒親」のため、家内の素行の悪さは際立っていました(対外的には良い人に見えるらしい)。そのため、両親が元気な時、両親との関係は最悪を極めており、私も沢山、ネガティブな感情に苛まれていたのは事実です。
ただ、不思議なもので、そのネガティブな感情は、両親が亡くなっても、同じように死んではくれないんですね。。
そのネガティブな感情の解決方法は、自分自身との和解以外には、なさそうです。
そこでなぜ、そのような素行の悪さになったのか、両親の本心を一度、聞いておくと、自分以外の視点を取り入れることができるので、
自分との和解が進むような気がしています。。
親にも理由があった、という視点は強い慰めにもなると思います。
ただ、私は二名とも、「なぜそんなことをするのか?」と聞くことができませんでした。。
今、死んで明るみになった事実に、憶測を巡らしながら、生きにくそうにしていた両親の本心を垣間見ようとしています。。
いかがでしたでしょうか?
少し、特殊な家事情のため、お役にたてないかもしれませんが、
高齢の親を持つ子供なら一度は、病院や介護をどこかで経験すると思います。
参考になれば、幸いです。
書評/論評
コロナ禍で親が亡くなった時、「後悔しない」ための5つの方法。
投稿日:
2022年3月に母親が亡くなりました。
先月、母親が亡くなりました。
コロナ禍の下、入院中は面会が禁じられている中、「多機能不全」で静かにこの世をさりました。私(と長男)が母親と会ったのは亡くなる前日で、約1年半ぶりでした。26歳の時、父親を一人で看取り、44歳で母親をほぼ一人で看取り、これでとうとう、両親ともこの世からいなくなりました。
今回は、コロナ禍で親が亡くなった時、「後悔しない」ための5つの方法と題して、思うことをつらつらと書いてみたいと思います。
母親との同居は、想像を絶する「生き地獄」だった
ちょっと、脇道にそれますが、母親が亡くなる約5年半前、母親と同居することになりました。母親と同居して約4年と、そこから入退院+介護(老健)を1年半繰り返していましたが、母親との生活は、まさに「生き地獄」でした。。
詳細は割愛するとして、ざっくりこんな感じでした。。
かなり特殊なケースかもしれませんが、同居中は平穏な日々はありませんでした。病状が深刻化してから、介護の段階に入ると、金銭的な問題が重くのしかかりました。
糖尿病で意識不明となり、その後、老健から精神病へ、また老健から精神病で、最後に精神病から普通病棟に運ばれました。1年半で病院は4回変わり、老健は2回変わりました。その間、施設が変わる度、そろえる用紙は山のようにあり、金銭的な支払いも、常に不安との戦いでした。
17年前の父親の時と同様、母親の入退院に一人で向き合ってきた中、「もっとこうしていれば」みたいなことも幾分か残っています。
今回はそのような内容を踏まえて共有していけたらと思います。
1.元気なうちに、両親の昔のことを聞いておく。
できるだけ頭がしっかりしているうちに、両親の過去のことをしっかり聞いておくことをおすすめします。私の両親は、かなり仲が悪く(父親のDVと、母親の口撃)、お互い罵り合っていました。そのため、自分の都合の悪い過去は語りませんが、相手のことはよく喋っていたのを記憶しています。
ここではなかなか、書けませんが、死んでから色々と、表面化されて驚くことが度々、ありました。ずっと、自分と両親は似ていないと思っていましたが、両親が死んでから「蛙の子は蛙」と思い知らされました。
2.お金のことをちゃんと聞いておく。
両親に向かって、「貯金いくらある?」とか「年金いくらもらっている」と尋ねるのは、かなりハードルが高いですが、両親が70歳を過ぎたら、必ず確認しておいてください。
また、借金が残っているなら、それもちゃんと聞いておいた方が良いと思います。
75歳を過ぎていれば医療費は1割で、それほど負担にはなりませんが、病院は今、ほぼ3ヶ月で強制的に退院させられます。
その後、老健や介護施設などに移ることになると、少なく見積もっても月13万円以上〜の費用が必要となります(介護施設は、諸々の経費合わせて平均約19万円/月)。
介護の費用を支給されている年金で賄えるのか、できないのかをある程度、表計算を作ってシミュレーションされることをおすすめします。
3.スマホやATMのパスワードを聞いておく。
スマホのパスワードロックはこっそり聞いておかれることをおすすめします。
病院では基本、スマホはNGです。そのため、両親の知り合いからの連絡に対応する必要が迫られますが、高齢で病院に長期に滞在すると、認知力が急激に弱まり、自分のスマホのパスワードを忘れることがあります。
これはATMの暗証番号も同じですが、私の母親も認知が急激に弱まり、かなりやばかったことを覚えています。認知が弱まる前に、最低でもどちらかのパスワードは聞いておかれることをおすすめします。
4.両親の「本籍」を聞いておく。
これは、それほど重要ではないかもしれませんが、死亡すると、金融関係の書類で必ず戸籍謄本(抄本)が必要となります。本籍が現住所から遠ければ、今では郵送してくる地方自治体が多いですが、それなりの日数がかかってしまいます。また、どこかわからないと、一度、住民票から本籍を割り出すという手間が生じます。
この戸籍謄本(抄本)が必要になるのは基本、金融機関(銀行、保険)となるため、支払い(葬儀、納骨、医療費)が先行するのを両親の預金から賄おうとすると、死亡のタイミングで預金を引き出すことができません。
両親の戸籍謄本やら、自身の印鑑証明などを準備して、それから幾日かまたされてから、預金に手をつけることができるため、必ず必要になる書類となります。
両親の「本心」を聞いておく。
私の両親は、現代風で言う所の典型的な「毒親」のため、家内の素行の悪さは際立っていました(対外的には良い人に見えるらしい)。そのため、両親が元気な時、両親との関係は最悪を極めており、私も沢山、ネガティブな感情に苛まれていたのは事実です。
ただ、不思議なもので、そのネガティブな感情は、両親が亡くなっても、同じように死んではくれないんですね。。
そのネガティブな感情の解決方法は、自分自身との和解以外には、なさそうです。
そこでなぜ、そのような素行の悪さになったのか、両親の本心を一度、聞いておくと、自分以外の視点を取り入れることができるので、
自分との和解が進むような気がしています。。
親にも理由があった、という視点は強い慰めにもなると思います。
ただ、私は二名とも、「なぜそんなことをするのか?」と聞くことができませんでした。。
今、死んで明るみになった事実に、憶測を巡らしながら、生きにくそうにしていた両親の本心を垣間見ようとしています。。
いかがでしたでしょうか?
少し、特殊な家事情のため、お役にたてないかもしれませんが、
高齢の親を持つ子供なら一度は、病院や介護をどこかで経験すると思います。
参考になれば、幸いです。
-書評/論評