『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』を読みました!
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』を読みました。この本の題名に響かない30代後半〜はいないんじゃぁないでしょうか。。
僕も編集者の策略にハマったのか、Amazonで気がつけばポチッとやってました。。
ざっくりですが、内容は、「中小企業の後継者が少なくなってきているという時代背景において、個人が人生100年時代(『ライフ・シフト』)を迎える中、会社員としての働き方だけでは、人生設計が機能しない。そこで、後継者のいない中小企業を合法的に「買い」、社長(取締役)と株主の両方をやりませんか?」という提案になります。
ざっくり自分の経験も含めて、ちょこっと感想でも書いていけたらと思います。
地方の中小企業 - 3社中2社が後継者不在の現状
帝国データバンクの調査によると、国内の2/3が後継者不足が問題となっています。さらに前年と比べて、0.4pt高くなっているとのことです。まさに、3社中2社が、後継者問題を抱えているということになります。
この本にも書かれていましたが、ゼロから会社を創立するよりも、会社を買った方が良いというのが、まさにここが背景となっています。
ゼロから会社を作って10年継続させるのは、たった1割(10社中1社)の世界ですが、後継者が不在という問題は、3社中2社となります。
会社を作って、成功させる人間は「超人級」だが、今ある会社を買って、そこの社長になるには、「凡人」でもできるというのが、本書籍で語られているテーマのひとつです。
「凡人」が社長になれる理由?
「凡人」が、社長になれる理由は、中小企業が大企業と比べて、色々な面で遅れているということになります。
例えば、「請求書をいまだFax」で送っているとか、「技術力はあるが、自らで営業はせず、発注会社は親会社のみ」とか、「伝票管理などのシステム化が遅れていて、相変わらず手書き」とかなどなどです。
一般的な企業(特に大企業)なら、当たり前のことが、中小企業では行われておらず、一般企業での当たり前のことを、中小企業で実施するだけでも、成長が見込めるという訳です。
そして、一般企業で働かれていた大手のサラリーマンの方は、そのようなノウハウがあると、この書籍の筆者は見込んでいる訳です。。
言っていることはわかるが、本当にできるのか??
書籍の内容は、主に中小企業がどれだけ遅れているかという部分と、大企業がシステム化されていて、そこで働ている方はある種の能力が無意識でも身についているという観点で書かれていました。個人的に地方で中小企業のIT導入という内容で起業して10年なので、「中小企業がやれることは沢山ある」ことには同意です。
しかし、これを大企業のサラリーマンが本当にできるのか正直、疑問符??が連発しました。ちょこっと、その部分を考察したいと思います。
問題1:働き方の「縦割り=>横串」への変更
大企業では多くの研修を受け、また配置替え・部署変更など多くの業務をこなしてきていると思いますが、どれも、その企業内だけで通用する内容のように見受けます。その培った能力や技術が、社外でも適用できるかが、重要なポイントのように思いました。
それに加えて、個人的に大企業の人と仕事をして思うのは、「縦割り型の分業体制」です。
確かに、大企業の人は学歴もよく、能力の高い方を見受けますが、働き方そもそもが、決められた範囲内の「分業体制」です。それに対して、中小企業の社長となると、マーケティング/営業・顧客管理・企画・製造・開発・経理・資金調達(外部)など、全てを100%理解していなくても、「横刺し」で臨機応変に実施しなければなりません。
中小企業の社長は「これは私の仕事ではありません」は通用しない。
大企業ほど、潤沢な資金がないため、マネージメントをしながら現場でも働く能力が要求されるように思います。
そのため、サラリーマンを40歳で辞めて、中小企業の社長になったと仮定しても、現場の部署の管理職は経験しても、全体を見渡せるだけの管理職についていない可能性が一般的だと思います。次に50代や60代で中小企業の社長についたとしても、今度は現場での「専門性を新しく身につける」のは容易ではないように思いました。
問題2:潰れるリスクの理解と許容
この書籍でも書かれていましたが、やはりリスクの許容が、もっとも難しいように思いました。
私もサラリーマン時代の時、自らの収入は100%自分のモノでしたが、起業した途端、「売上=収入」ではないことに当初、戸惑いました。。
これは、サラリーマンの考え方の癖が残っていたからだと思いますが、起業当初は、いくら働いても、手元にはほとんど残らない。要するに、スタッフや、仕入れ先、その他経費(交通費・事務所の家賃)などに出ていき、自分はその残った部分の一部しか割り当てられません。
「自分の仕事や労働は、他人に支払うために働いているのか?」と思うほとでした。
今回は、既にある会社を買うような場合は、予め「役員報酬」が決まっていると思います。しかし売上が落ちれば、真っ先にすべきことはその役員報酬の見直しです。
役員報酬をいくら削っても(最終的に0円)にしても、会社が潰れる可能性とその責任を背負っているリスクを理解できるかだと思いました。
新規事業を立ち上げると、会社は作ることは、同じように見えても、失敗した時に負っているものが違います。
特に、従業員とその家族の責任が最も大きくのしかかるように思いました。
もっと知りたかったこと
この書籍は、大都市圏で大企業のサラリーマンの方にとっては、目からウロコの内容が多く、自らの可能性を模索できるように思いますが、
僕のように、地方で会社を起業し、10年たった人間にとっては80%の内容は知っていました。
しかし、最後の10ページぐらいは目からウロコでした!その内容は自らの資金を使わずに、会社を購入する方法です。まさに筆者がM&Aのプロという部分が垣間見れました!
この書籍にかかれていた方法(詳細は書籍を読んでください。)だと、大企業で働かれていた方のコネクションは大きく働くように思いました。
今回入門書ということなので、この資金調達をもっと深掘りした内容を次は読みたいと思いました!
こういう方におすすめ
- 1.いつかは社長になりたいと思われている方。
- 2.都市圏にある大企業にお勤めで、地方にある実家に戻る必要がある方。
- 3.サラリーマンとしての働き方に疑問を覚えている方。
マネー/ポイント 書評/論評
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(人生100年時代の個人M&A入門)を読んだ感想!
更新日:
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』を読みました!
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』を読みました。この本の題名に響かない30代後半〜はいないんじゃぁないでしょうか。。
僕も編集者の策略にハマったのか、Amazonで気がつけばポチッとやってました。。
ざっくりですが、内容は、「中小企業の後継者が少なくなってきているという時代背景において、個人が人生100年時代(『ライフ・シフト』)を迎える中、会社員としての働き方だけでは、人生設計が機能しない。そこで、後継者のいない中小企業を合法的に「買い」、社長(取締役)と株主の両方をやりませんか?」という提案になります。
ざっくり自分の経験も含めて、ちょこっと感想でも書いていけたらと思います。
地方の中小企業 - 3社中2社が後継者不在の現状
帝国データバンクの調査によると、国内の2/3が後継者不足が問題となっています。さらに前年と比べて、0.4pt高くなっているとのことです。まさに、3社中2社が、後継者問題を抱えているということになります。
この本にも書かれていましたが、ゼロから会社を創立するよりも、会社を買った方が良いというのが、まさにここが背景となっています。
ゼロから会社を作って10年継続させるのは、たった1割(10社中1社)の世界ですが、後継者が不在という問題は、3社中2社となります。
会社を作って、成功させる人間は「超人級」だが、今ある会社を買って、そこの社長になるには、「凡人」でもできるというのが、本書籍で語られているテーマのひとつです。
「凡人」が社長になれる理由?
「凡人」が、社長になれる理由は、中小企業が大企業と比べて、色々な面で遅れているということになります。
例えば、「請求書をいまだFax」で送っているとか、「技術力はあるが、自らで営業はせず、発注会社は親会社のみ」とか、「伝票管理などのシステム化が遅れていて、相変わらず手書き」とかなどなどです。
一般的な企業(特に大企業)なら、当たり前のことが、中小企業では行われておらず、一般企業での当たり前のことを、中小企業で実施するだけでも、成長が見込めるという訳です。
そして、一般企業で働かれていた大手のサラリーマンの方は、そのようなノウハウがあると、この書籍の筆者は見込んでいる訳です。。
言っていることはわかるが、本当にできるのか??
書籍の内容は、主に中小企業がどれだけ遅れているかという部分と、大企業がシステム化されていて、そこで働ている方はある種の能力が無意識でも身についているという観点で書かれていました。個人的に地方で中小企業のIT導入という内容で起業して10年なので、「中小企業がやれることは沢山ある」ことには同意です。
しかし、これを大企業のサラリーマンが本当にできるのか正直、疑問符??が連発しました。ちょこっと、その部分を考察したいと思います。
問題1:働き方の「縦割り=>横串」への変更
大企業では多くの研修を受け、また配置替え・部署変更など多くの業務をこなしてきていると思いますが、どれも、その企業内だけで通用する内容のように見受けます。その培った能力や技術が、社外でも適用できるかが、重要なポイントのように思いました。
それに加えて、個人的に大企業の人と仕事をして思うのは、「縦割り型の分業体制」です。
確かに、大企業の人は学歴もよく、能力の高い方を見受けますが、働き方そもそもが、決められた範囲内の「分業体制」です。それに対して、中小企業の社長となると、マーケティング/営業・顧客管理・企画・製造・開発・経理・資金調達(外部)など、全てを100%理解していなくても、「横刺し」で臨機応変に実施しなければなりません。
大企業ほど、潤沢な資金がないため、マネージメントをしながら現場でも働く能力が要求されるように思います。
そのため、サラリーマンを40歳で辞めて、中小企業の社長になったと仮定しても、現場の部署の管理職は経験しても、全体を見渡せるだけの管理職についていない可能性が一般的だと思います。次に50代や60代で中小企業の社長についたとしても、今度は現場での「専門性を新しく身につける」のは容易ではないように思いました。
問題2:潰れるリスクの理解と許容
この書籍でも書かれていましたが、やはりリスクの許容が、もっとも難しいように思いました。
私もサラリーマン時代の時、自らの収入は100%自分のモノでしたが、起業した途端、「売上=収入」ではないことに当初、戸惑いました。。
これは、サラリーマンの考え方の癖が残っていたからだと思いますが、起業当初は、いくら働いても、手元にはほとんど残らない。要するに、スタッフや、仕入れ先、その他経費(交通費・事務所の家賃)などに出ていき、自分はその残った部分の一部しか割り当てられません。
今回は、既にある会社を買うような場合は、予め「役員報酬」が決まっていると思います。しかし売上が落ちれば、真っ先にすべきことはその役員報酬の見直しです。
役員報酬をいくら削っても(最終的に0円)にしても、会社が潰れる可能性とその責任を背負っているリスクを理解できるかだと思いました。
新規事業を立ち上げると、会社は作ることは、同じように見えても、失敗した時に負っているものが違います。
特に、従業員とその家族の責任が最も大きくのしかかるように思いました。
もっと知りたかったこと
この書籍は、大都市圏で大企業のサラリーマンの方にとっては、目からウロコの内容が多く、自らの可能性を模索できるように思いますが、
僕のように、地方で会社を起業し、10年たった人間にとっては80%の内容は知っていました。
しかし、最後の10ページぐらいは目からウロコでした!その内容は自らの資金を使わずに、会社を購入する方法です。まさに筆者がM&Aのプロという部分が垣間見れました!
この書籍にかかれていた方法(詳細は書籍を読んでください。)だと、大企業で働かれていた方のコネクションは大きく働くように思いました。
今回入門書ということなので、この資金調達をもっと深掘りした内容を次は読みたいと思いました!
こういう方におすすめ
-マネー/ポイント, 書評/論評